宿があるブージから、アジュラクプールの第1工房(インディゴハウス)までは、バスやリキシャを乗り継いで約1時間かかります。しかし、今回の滞在からは新しくできた第2工房(ファーム)で制作することになり、第1から第2まで更に距離があるので、職人さんと第1で待ち合わせて、バイクで送迎してもらっています。それがまぁね、結構待たされるんです。笑

一応朝8時半に待ち合わせてますが、向こうも何だかんだ用事があって、大体9時過ぎにやってくるので、私も最近は9時目掛けて出勤しています。ちなみに今朝は1時間程待ちました。心は平和です。

職人さんを待っている間、メールを返したり書類作ったりと、iPadで事務仕事ができますし、バイクの後ろに乗せてもらって、気ままに景色を眺めながら移動するのも結構好きなんです。とはいえ、毎日のように職人さんを待っているのも、お互いどうかなぁと。

ってことで、先ほど工房間の往復のためだけに自転車を新調しました。暑いし遠いしで、第2に到着した頃には疲れ果ててそうですが、とりあえず物は試し。カッチ滞在中に壊れないことを祈ります。





工房では基本的に単独行動でして、AirPodsを片耳だけ装着し、youtubeを聞きながら制作しています。日本でもインドでも、人とのコミュニケーションが少ないアーティスト生活を邁進しているので、社会情勢などは専らyoutubeから。アルゴリズム偏ってるんだろうなぁ。



最近聞いた動画で、イェール大学教授の成田先生のトークがあります。「今まで良しとされてきたような、長期的な人生設計のもとに王道の出世パターンを進むだけではなく、ロールモデルも無いような、直面する問題にその場その場で対処し、突き進む生き方をする人が、これからの時代増えてくると思います。」みたいなことを話されていました。私も恐らくその類なのでしょう。ここ数年を振り返ると、全く合理的では無い謎の選択を、その場では最善と思い、重ねてきたように思います。

成田さんのお話は何か、かっこよく聞こえましたが、実際は体力勝負で泥臭く、どこでどう繋がって今ここにいるのか、自分でも上手く説明できないような数年を送りました。ロールモデルが無いと共感者も少なく、どこまで行っても自分の気持ち次第なところもあります。

この工房にいるムスリムの職人さんとは、文化も宗教も全く違い、お互いの価値観を理解する事が難しい部分もあると思います。けど何となく一緒にいられるのは、やはり制作が鍵なのでしょう。月並みですが楽しいから続けられています。

30を過ぎて、自分のダメなのところも緩やかに許容できるようになり、各所での選択も、問題への対処も、前より肩の力が抜けてきました。

今後も様々な壁がやって来ると思いますが、純粋な気持ちで生きて行けたらいいなぁ。