正式名称が何回聞いても覚えられないんですが、2022年にオープンした地震に関する博物館に行ってきました。存在は知りつつも、今まで何となく足を運んでいなかった場所。2024年元旦に起きた能登半島地震にこともあり、ようやく足を運びました。

外国人の博物館入場料は1000ルピーで、約1800円。現地の方の3倍以上。中々な値段設定ですが、お世話になっている土地にはお金を落としたい。

施設名にMemorialとあるくらいなので、てっきり2001年に起きたカッチ震源の大地震に関する内容かと思っていました。実際は、地球の仕組みと人類の進歩の説明から始まり、何故地震が起こるのか、なぜカッチは自然災害が多いのかをビジュアルで丁寧に説明した後、カッチのこれまでの自然災害の推移、2001年の大地震のこと、揺れる地面の上に立つ追体験、地震後の各国との繋がり、そしてこれからのことを、体系的に見せてくれる内容でした。


展示スペースは全部で7つに分かれており、どこもこだわりがあって良かったのですが、特に2001年の大地震の状況を見せる展示は衝撃的な内容です。ディスプレイと演出が、良くも悪くもトラウマレベル。カッチの地震を経験してない私ですらそうだったので、経験した方のフラッシュバックは相当だろうなと思ってしまいました。

恐らく日本だったらクレームが殺到しかねない内容ですが、ここはインド。学生の団体や小さな子供たちも沢山訪れていました。バンコクで訪れた死体博物館もそうですが、こういう瞬間に、異国にいることを実感します。

揺れる地面の上に立ちながら、360°パノラマ動画で、カッチの街や村の様子を見る追体験コーナーは、映像こそボリウッド並みの演出でしたが、石壁がガラガラと落ちてきたり、小さなコミュニティの民家があっという間に崩れたり、大量の牛がパニックになって走り抜けたり、実際にカッチではこんなことが起きたんだなと体感できました。何より、追体験と分かっていても、地面が揺れる瞬間っていうのは胃をきゅっと掴まれたような感覚になりますね。

展示全体では、途中こそ恐怖を感じさせる展示内容でしたが、最後の方はポジティブな内容も多く、見終えた頃には充足感がありました。装飾や壁面など、随所にカッチのクラフトが施され、こだわりを感じられたのも良かったです。




博物館を見た後の1週間は、色んな方に、行ってきたよ!と報告しました。比較的若い世代とはアレコレ盛り上がりましたが、殆どの大人の反応はというと、大体があまり良いリアクションではありませんでした。

あの日のことを思い出したくない、という気持ちが大きく、行かないと決めてる人も多いようです。



能登半島地震が起きた後の数日間、心を揺さぶられながらも、やれることをやっていくしかない、という気持ちで過ごしました。自分の機嫌を自分でとって、その上で出来ることをやろうと。

この博物館を訪れた後、いつものカフェで、自分には一体何が出来るのか再度考えました。そして、地震博物館の前で街頭募金をして、それを英語で発信することを思いつきました。

とりあえず、街頭募金自体可能なのか、どこに事前に連絡すれば良いのか、周りの方達に相談したところ、話は思いもよらない方向に進みます。その件はまた後ほど。