6.16(日)

アルメニアのエレバンに到着!初ヨーロッパです。

ドバイでの乗り継ぎで、様々な人種が行き交う様を見てから、既に異国感満載でしたが、日本とまるで違う国で、自分がマイナーになる環境って久しぶり。固定概念がほどけていくようで、定期的に体験したい。

首都エレバンは、街並みがイメージ通りのヨーロッパだけど、少しメキシコシティにも似てる気がする。建物の色がセピアよりで、歴史を感じさせるような街並みです。美人大国で有名なアルメニアの皆さんが、カフェのテラス席で、ゆったりお喋りしてて、通りにアジア人は殆ど見かけず、チラチラっと視線を感じます。

日中は想像より暑かったけど、街中をフラフラ散歩して、水と食料を買って、部屋へ戻りました。

首都エレバンはコンパクトシティ


6.17(月)

目が覚めて、あ、そうだ、アルメニアに来たんだったと思い出しました。起きて最初に目に入る景色が、高い天井って、こんなに気持ち良いのか。

部屋は、TUMO studios が用意してくれたアパートメントを使わせてもらっています。窓際の机で過ごす時間が、これまた気持ち良い。昨日買ったオリーブペーストを固いパンに塗って食べながら、今日から始めるWSの最終準備。

家からTUMOまでは徒歩20分くらいで、道中は緑も人も多く、歩いているだけで良い気分。

広くて高くて落ち着く部屋


6.18(火)

インスタグラムは毎日更新しようと思っていたけど、WS初日から挫折。昨日の疲労感は凄かった。遅めの夜ご飯を外で食べて、あとは家に帰るだけで精一杯でした。

2日目のWSが終わって、夜はTUMOのスタッフ3人と、先週からシルクスクリーンのWSを担当している女性と、近くのレストランへ。よくよく話を聞くと、4人中3人はレバノンのベイルートから来てるみたい。今回アルメニア人に会うのも初めてなら、レバノン人に会うのも初めて。

数年前に起きたベイルートでの大爆発で、なんとか逃げて、生き延びた話や、各々の国の経済状況、死後はどんな世界が広がっているだろうか、TUMO studios の今後の展望等々、例え日本語でもスラスラ出てこないだろう内容を、頑張って英語で。帰る頃にはだいぶ疲れていて、写真もまともに撮れなかったけど、楽しい夜だった。


6.19(水)

TUMOにはWS開始30分前に着くようにしてます。前2日は準備に追われたけど、今日はスタッフの方と、まったりできた。雰囲気はまったりでも、会話内容は所々まったりではない。

過去アルメニアで起きたジェノサイドで、国民が国外に散らばった話や、そこから繋がる国籍に関する話、名前の話。アルメニアの方は、名前の語尾が -an や -yan になることが多いらしい。言われてみれば、学生さんの名前がそうだ。逆に、当てはまらなければ、ロシアから逃げてきた学生さんだったりする。

WS後は、カフェオレ片手に、夜のエレバンを散歩して帰宅。夜でも普通に女性が歩いてるの、いいなぁ。現地の方も言ってるけど、安全な都市だと思う。

テイクアウトドリンクが充実


6.20(木)

この日も、WSの前にスタッフの方と雑談。エレバンの建物に同じような色合いが多いのは、素材が火山灰だからだそう。絶妙なグラデーションは自然からきてた色なのか。凄いな。TUMOでも火山灰を利用した商品を作っているみたいで、見せていただいた。色がとても可愛い。

夜は、学生さんが夜の散歩に付き合ってくれて、最後に素敵なカフェへ。もともと古い本屋さんだったところをカフェに改装したみたい。

街には、このような色の建物が並ぶ

6.21(金)

ようやく心に余裕が出てきて、WSが始まる前に、観光名所に行ってみることに。青空民芸品市場 “vernissage” を散策。暑すぎて、冷たいコーヒーが幸せ。こちらの民芸品は、初めて見るものも多く、目に入るもが逐一新鮮で、興奮しちゃう。

WSの後は、学生さんと引き続き夜のエレバンを散歩しました。20時を過ぎても、まだまだ陽が明るい。

夕飯は本格的なアルメニア料理のレストランへ。全部が新しい経験で、嬉しすぎるし幸せすぎる。

学生さんと言っても、同世代が多く、恋愛や、お互いの国の文化、生活、戦争の話など。アルメニアは、元々とびっきりの美女が、見た目にも相当気を遣ってるように見えるけど、男性は割とラフだよねと正直な意見を述べたところ、皆笑いながら、同感だと言ってました。家庭内での男女教育が、その一因なんだそうです。

途中、アルメニアの伝統的な装飾に凝っているという店内を案内してもらったんですが、席を離れる際、普通に財布や鞄を席に置きっぱなしにしていて、エレバンにおいては、本当に治安が良いんだなと感じた瞬間でした。

レストランを出て、街並みガイド付きの散歩は日をまたいで続き、長い長い夜。生活用品の多くを輸入品に頼っているエレバンでは、ロシアとウクライナの戦争以降、物価も家賃も年々上がっているとのことで、帰りにスーパーへ寄ってみたら、韓国のカップ麺が現地の10倍近い値段でびっくり。

値段は基本未記載なので要交渉
21時前、ようやく夕暮れ時のエレバン
レストランの壁が見応え抜群
深夜まで賑わう中心地


6.22(土)

WSが始まって以降、初めての週末休み。学生さんからも、TUMOのスタッフからも、週末はどこに行くの?の質問が異様に多かった。琵琶湖の2倍近い面積を誇るセヴァン湖とやらに行ってみたいと答えたら、ロシアから来た学生さんが、車で連れて行ってくれるとのこと。

土曜の朝、例の元本屋さんカフェで待ち合わせ。先に着いてアイスコーヒーでまったりしてたら、ロシア人夫婦がやってきました。このカフェ、やはり歴史が古いらしく、説明を聞いているだけで軽く30分経過。

セヴァン湖へ向かうドライブでは、この道中の景色が、季節によっていかに様々に変化するのか、どんな花が咲いているかを聞かせてくれました。私も来た当初から感じてたけど、エレバンは自然がとても豊かです。日本の四季とも似てる。緑も多いけど、山の岩肌の色もとりどりで、黒曜石なんかが普通に落ちてます。

途中、スピード違反疑いで警察に止められて、実際は違反していなかったけど、ロシア人だからということで、20分くらい話し合いで拘束されました。そこから、会話の内容はロシアに移りました。

思えば、ロシアの方と面と向かって話すのも初めてだ。ウクライナとの戦争が始まって以来、多くのロシア人が国外に行こうとしたけど、ヨーロッパはビザが取れにくくなる中、アルメニアは比較的すぐ取得できたそう。旧ソビエトであることも影響していると思うけど、日々の会話からも、多くのものをロシアに頼っている感じがして、経済的にも政治的にも結びつきが強いのかもしれない。

セヴァン湖を散策中も、ロシアの色んな話を聞きました。学校の授業でしか聞いたことのなかった単語が、普通に会話に出てくるのが面白い。ご主人は、ガガーリン出身の街で育ったのだそうで、話を聞いていたら宇宙博物館にも行ってみたくなりました。

お昼は少し離れたところにあるレストランへ。セヴァン湖で獲れたトラウトサーモンの炭火焼きや、アルメニアの郷土料理を囲んで、話はプーチンと戦争、プロパガンダなど、重い方へ。いかに逮捕されることが簡単か、例をあげて説明してくれました。日本はどちらかというよアメリカよりだから、ロシアの情報は割とネガティブなものが入ってきやすいんだよねと正直に話したら、アメリカに原爆を落とされたのに、そのスタンスは信じられないと言われました。

帰りは建築士のご主人が設計され、もうすぐ完成予定の、日本庭園付きヨガスタジオ兼バーが入る建物に連れて行ってもらい、初の砂紋体験。大自然と、人間の営みの渦に飲まこまれたような、濃い休日でした。

琵琶湖を思い出すな〜
カチュカルと呼ばれるアルメニアの伝統的なクロスストーン
海外あるある、およそ食べきれない量


6.23(日)

週末2日目は、アルメニア歴史博物館へ。もともと行きたいと思っていた施設だけど、WSを通して、ブロックプリントのデザインのアイデアがこの博物館からきている学生さんが多く、俄然興味津々。

アルメニアは1991年にソビエトから独立して以来、日はまだ浅いけど、とにかく歴史が古い。展示物は、5500〜5600年前から近代までと膨大で、実に歴史の厚みが凄まじい内容でした。

楔形文字の碑文、てっきりレプリカと思ってたけど、後から聞いたら本物だったらしい。しかも触っても良かったらしい。なんじゃそりゃ。

ChatGPTとGOOGLE翻訳を使って見て回ってたら、あまりの雄大な時の流れに、アルメニアの特異な状況を感じました。

ヨーロッパだけど、地理的にも政治的にもロシアに近く、キリスト教国家だけど、周りはイスラム国が多く、きっと計り知れない歴史の積み重ねがあったんだろうな。

夜、家に戻ると、明日から始まる、新しいWSの講師が先に来てて、そしてもう寝てしまったみたいで、私の部屋の前に花束が置かれていました。イングランドから来たご夫婦で、籠編みをされているアーティスト。今日から同居です。

この碑文を触るためだけに、また行きたい


6.24(月)

WSが始まる前に、カフェでご飯。ソイソースとトウフのヌードルを頼んだら、オリーブオイル強めのイタリアンヌードルがきた。これはこれで美味しい。ちょくちょく作業カフェも発掘できて、事務仕事も進むようになりました。夜にはアルメニア産のアルコールにも手を出し始める。

「ソイソースとトウフ」で勝手に日本風だと勘違い
お部屋でアルメニアンビール


6.25(火)

同居中の籠編みアーティストのご夫妻が、沢山植物を拾ってくるので、部屋中良い香り。毎日のように食べてる固いパンも映えます。

この日は、WSの前にアルメニアにある日本語文化センターにお邪魔しました。街中で殆どアジア人を見かけないので、本当に日本人がいるんだろうかと思ってしまいましたが、一定数いるようです。

TUMOのWSに参加してくれているアルメニアの学生さんが、このセンターで日本語を勉強中で、施設見学に誘ってくれました。日本のアニメの影響力を、ここでも実感。NARUTO全巻読んでて良かったなぁ。もともとNARUTOに出てくる模様に興味があって読み始めたけど、その後何かと話す機会が多くて助かる。好きなキャラで盛り上がりました。薄い顔が人気の模様。

TUMOの学生さんと話していても、ディズニーは、アメリカ文化だからなのか、さほど浸透していないようでしたが、ジブリ映画が好きな子が多いんですよね。ジャンプ系の漫画においては、私よりずっと詳しい子も少なからずいました。

センターでは、アルメニア産のお勧めのお土産や、逆に、今までもらって嬉しかった日本のお菓子など、色々情報を交換して、美味しいコーヒーと沢山の果物まで頂いちゃって、るんるんでTUMOに向かいました。

WS後は、学生さんに「おにぎらず」のお店を教えてもらい、早速同行。頼んだのは「おにぎらず天ぷら」

日本のおにぎりとは全くの別物でしたが、これがまた、とても美味!定期的に食べたい。こちらの方とは、どうも味覚が似ているようで、滞在中に彼女たちがお勧めしてくれるものは、大体美味しくて、且つ新鮮な経験でした。

おにぎらず天ぷらを食べながら、なぜ私のWSに参加しようと思ったのかを話してくれたんですが、私が大学を中退して、色々な国を旅して、そしてインドで布に出会い、そこから男性だけの工房に入って制作をしている、というプロフィールが面白くて、興味が沸いたのだそうです。てっきり、ワークショプのプログラム内容で告知&募集されていたと思っていたので、まさか私の過去までセットで告知されていたとは知らず、、、嬉しいなあ。

ウナギソースとナスのオニギラズテンプラが絶品


6.26(水)

午前中は、楽しみにしていた世界最古の教会「エチミアジン教会」に行ってきました。WSに参加している学生さんの1人が、エチミアジンに住んでいるとのことで、現地で落ち合うことに。有難い。

アルメニアは、キリスト教を国教にした最初の国で、こちらの教会の基盤となる部分も、同じ頃の301年から303年にかけて建てられたそう。そんな歴史ある建物が普通に近くで見れるなんて凄いなと思いつつ、なんのバリゲードも立てていない感じが、楔形文字の碑文の丸裸展示とデジャブ。笑

広大な敷地の端から端まで、学生さんの解説を聞きながら、アルメニアの歴史の深さに圧倒されっぱなし。

充分堪能して、一緒にエレバンに戻り、お勧めのパン屋さんにも連れて行ってもらいました。焼きたてが美味しすぎた。

恐らくめちゃくちゃ貴重な建物なんだろうけど、敷地内は地元民ばかり
塩味の効いた釜焼きもっちりパン


6.27(木)

午前中に観光を入れることも板についてきて、この日は同居の籠編みアーティストのご夫妻と、アルメニア民俗博物館に行きました。

当たり前なんですが、アルメニア歴史博物館の展示内容とは、また全然趣旨の違う展示内容で、素晴らしい手工芸品の数々。アルメニア商人がインドから持ってきて、独自に発展を遂げたアルメニアブロックプリントの版木もありました。他の木工品のクオリティも凄くて、きっと発展する土壌があったんだろうな。

こんなに繊細で素晴らしい工芸の技術も、ソビエトからの迫害によって継承する職人がほとんと居なくなってしまったらしく、今ではあまり作られていないようです。痛ましい事実に悲しみを覚えるとともに、伝統工芸が続いていることは、それだけで尊いことなんだなと再認識する展示でもありました。

夜はTUMOのスタッフさんと、ちょっと良いレストランへ。郷土料理のアリシタが美味しすぎました。乳製品を発酵させてつくるマツーンと呼ばれるソース、色々な場所で食べる機会があったけど、本当好き。

外気の防寒目的で絨毯を壁に掛ける習慣があったそう
レースが繊細で圧倒的
真ん中のマツーンを絡めると更に美味

6.28(金)

WS最終日。この日も昼に少し遠出しました。TUMOのスタッフの1人が、過去に着物の要素を取り入れた上着を制作したらしく、モデルを頼まれたので、撮影のため彼女が所属する共同スタジオへ行くことに。所々ホラー映画みたいな建物だよ、と事前に聞いてましたが、実際本当に凄かった。笑

撮影したら、謎に良い感じの背景と化し、良い思い出となりました。屋上から見たアララト山も、空が澄んでいて綺麗だったな。

WSも無事終わり、最後は学生さん達と打ち上げで街へ出掛けました。最後の晩餐は、韓国とイスラエルの創作料理屋さんへ。このタイミングでイスラエル!?と少しびっくりしましたが、あまり抵抗は無いようで。各々の国の見え方も違うのかな。とはいえ、アルメニア人、ロシア人、日本人で、謎に本格的な韓国プレートを頬張る夜は、幸せそのものでした。キムチは酸味が効いていて、日本で食べるものより本場の味でしたが、こちらの若者、ほんと何でも受け入れて食べる印象です。

その後は、スーパーでアルメニアのお菓子を買い込み、学生さんの1人が運営に携わる建築事務所にお邪魔させてもらって、パーティ再開。この2週間、みんなのおかげで、本当楽しかったなぁ。

各々のスタジオはちゃんと綺麗でした、笑
アルメニア作家による着物風ジャケットと、インド・カッチの刺繍ワンピース
アララト山は、日本で言う富士山のような存在
本格的に辛くて酸っかい韓国プレート
ナッツとフルーツのエキスを固めた郷土菓子
沢山遊んでくれてありがと!


6.29(土)

荷物をまとめ、朝早くにアパートを出発。初日に空港で出迎えてくれたドライバーさんが、また空港まで送ってくれました。

無事空港に着いて、建物に入った瞬間気付いた。あ、パスポートを入れたジャケットをクローゼットにかけたままだ、、、。

慌ててTUMOのスタッフさんに電話して、さっき別れたばかりのドライバーさんがジャケットごと空港に持ってきてくれる運びとなりました。パスポート忘れるの初めてだ。TUMOのスタッフさんもドライバーさんも最後まで優しかった、、、。

乗り継ぎのドバイでは、束の間出国してみることに。この2週間強、統一の顔立ちばかり見ていたので、様々な人種が交差しているだけで新鮮です。

エレバンは歴史の積み重ねを感じる街並みだったこともあり、ギラッギラのネオンコンクリートに、少し気負わされ気味でしたが、2時間くらい散歩してたら、だんだん楽しくなってきて、アラブの夜の活気を堪能してました。

空港に戻り、まだ時間があったのでラウンジに入ってみたら、設備のクオリティの高さに驚愕。ドバイって色々凄い国なんだろうな。

アルメニアで殆ど見かけなかった某企業
ちょっと歩いただけでも、色々渦巻いているのを感じた

6.30(日)

関西空港到着!なんとスーツケースが壊れて戻ってきた。初めてだ。思い返せば、国内外の出張でだいぶお世話になったな。

エミレーツの職員さんに状況&保険に入ってる旨をお伝えしたところ、新しいスーツケースを持ってきてくれました。ありがとね、マイオールドスーツケース。インドの凸凹道もよく頑張ってくれました。

中身を総入れ替えして、辺りに若干染料の匂いが漂よわせながら、空港を後に。無事帰国です!

おつかれさま!