あけましておめでとうございます。ヒンドゥー教もイスラム教も、新年が別の月にあるので、通常出勤で制作中です。

元旦に起きた能登半島地震のニュースは、こちらでも瞬く間に広がり、昨日より心配の声を掛けていただいてます。被害に見舞われた方々の無事をお祈りしています。自分に出来ることを少しずつでも実行しようと思います。

最近、ラバリやアヒールなどのカッチのコミュニティの模様と、アイヌの模様などを掛け合わせた作品を制作する機会が増え、それに伴い、各コミュニティの生活様式を知る機会も増えました。

先週末、作品を手縫いで端処理してもらっているラバリの女性のご自宅に、SIDR craft のジャバールさんと伺ったのですが、そこで聞いたラバリの結婚の話と、帰りの車内で教えてもらった結納品事情が、文化の違いを感じさせられるものだったので、ブログにも書き残しておこうと思います。


そのラバリの女性には息子さんと娘さんがいて、息子さんの方に結婚の話が上がっていたのですが、結婚相手のご家族が提示した条件は、なんと、娘さんも相手のご家族の息子さんと結婚させること。

部外者としては、すごい話だな!と思ってしまいましたが、そのラバリの女性は、自分の子供達を2人とも結婚させることを真剣に考えているようでした。

こちらでは、結納品の話をよく聞きます。それは、金銭だったり、多大な時間と労力をかけて施された刺繍布だったり、あるいは条件だったり。

ラバリコミュニティの場合、女性側が男性側の家に入る際、刺繍を施した布を持参する慣習がありましたが、その作業があまりにも時間を要するため、婚期が遅れてしまうということで、一時期禁止されました。

その代わり、結婚する際は、女性側が男性側の家に結納金を納めることになりましたが、それはそれで大きな負担に。50年ほど前までは、女児が産まれると、金銭的余裕のない家庭は殺してしまうこともあったそうです。コミュニティ内の男女比のバランスも崩れていきました。

その結果、刺繍布を結納品とする慣習は再開したようです。

帰りの車内で、ジャバールさんがムスリムの結納金についても聞かせてくれました。

ムスリムの結婚式では、新郎が新婦に向かって、参列者の目の前で、結納金の金額を宣言する慣習があるのだそう。それはそれはプレッシャーだろうと思いましたが、女性は外に出て働くことができないので、男性側にその責任があるのだとか。

ただ、やはりこの結納金の慣習が婚期の遅れにも繋がるようで、カトリコミュニティでは、男性が女性に2セット半の衣服(サリーなど)を贈るという、比較的負担の少ない慣習を作ったそうです。

日本でも若者の結婚離れや、経済的理由による少子化などが話題となっていますが、こちらでも、若者を結婚させるため、文化や慣習を変えたり、新たに作ったり、試行錯誤があるんだなと。

とは言え、今や人口世界一となったインド。日本とは置かれている状況が真逆ですね。将来が見込めるからなのか、それとも国民性なのか、仕事に対する投資の勢いも凄い。これからどんどん経済発展して、結婚や結納金に対する価値観を変えたり、変わっていったりする地域や層が、引き続き増えるんだろうなぁ。