先日、お世話になっているSIDR craftのアブドゥラさんのお嬢さん、フィザさんの結婚式に参列しました。


ムスリムの方の結婚式は、今まで何度か参加させて頂いたことがあるのですが、三日間に渡り全てのイベントにお邪魔するのは初めての経験です。


まず初日は、親族(恐らく150人は超えてた)とお昼ご飯を食べました。


その後、煌びやかな衣装に着替えて、参列女性一人ひとりが花嫁の口に小さなスイーツを入れて祝います。


夜になると、皆(人が大幅に増えていた)でご飯を食べます。


控え室に戻り、黄色の衣装に着替えて、ハルディと呼ばれる本日のメインイベントに。ターメリックやオイルを混ぜたペーストを、花嫁の顔に塗って、花嫁から自分にも塗ってもらいます。凄い香りだ!


黄色の花びらをフィザさんに浴びせて、最後はバケツの水をばさっと浴びせて、とても記憶に残る夜でした。

2日目はニカと呼ばれるメインの日です。会場は人の波!聞いたところによると、この日は2500人程が参加されていたようです。


会場でお昼を食べて、控え室に向かうと、とても煌びやかな布を纏った花嫁と、姉妹がいました。


布と、ジュエリーと、ヘナタトゥーが、お見事、、、!特に花嫁が纏ったバンダニは圧巻!どこを切り取っても見目麗しい景色です。


花嫁は顔を布で覆って、親族と最後の挨拶を行います。住み慣れた家を離れ、今夜から新しい居住地へ。


迎えにきた新郎の車に乗り込み、出発するのを皆で見送りました。


その後は、皆で語らい、夜ご飯を食べて、写真を撮ったりと、ゆったりとした時間が過ぎ、長い1日が終わりました。




3日目は、夜にホテルの中庭を貸し切ったパーティーでした。これまでカッチの伝統的な結婚様式の雰囲気でしたが、こちらは日本人の私にも分かりやすい立食パーティー。


来る時間も、帰る時間も、割と皆さんそれぞれで、特に主催者から挨拶などがある訳でもなく、集まった人がご飯と会話を楽しむ空間。


カッチの知り合い大集合の夜で、というのも、3日目においては、ムスリム、ヒンドゥー関係なく、誰でも来れる上に、初めて男女が同じ空間に集まるからです。新郎新婦が顔出しで一緒にいるのを見るのも、この場が初。


昨年ぶりの再会も多く、楽しい夜でした。




3日間参加して、ようやく全貌が掴めたのですが、改めて感じたことは、こちらの方々は家族の在り方を大変重要視していて、結婚式はそれが如実に表れているなと。

結婚式って、新郎新婦を華やかに祝う日、というイメージなんですが、こちらでは、新婦が現在のコミュニティーを出て、新郎側のコミュニティーに入ることを、皆で悲しみ、送り出す儀式、と言いますか。家族やコミュニティーの構成が変わることを皆で見守る日というイメージを抱きました。

実際に、初日と2日目は、会場に集まった女性たちが、それまで笑いながら談笑していたにも関わらず、何かの合図で一斉に泣いて悲しむ(という儀式のような時間)が何度かあり、カッチに来た当初はその流れに違和感もありましたが、何度か参加するにつれて、そもそも結婚式の存在意義深が違うのだと捉えるようになり、自分の常識と世界の常識が違うことを、ただ受け入れています。

最近は、それまで伝統に無かったこともセレモニーの1つとして成り立ってきているらしく、数年後はまた違う雰囲気になっているのかもしれません。

例えば、後日聞いた話ですが、初日に行われた顔にターメリック等のペーストを塗るハルディは、本来オープンな儀式では無かったらしく、肌のスペシャルケアとして花嫁が自宅で行う慣習であり、しかしながら現在は重要なイベントの1つとして結婚式に華を添えています。

結婚式に向けて施されるメヘンディも、各個人の準備を超えて、イベントとしての要素が高まっているらしく、メヘンディの撮影会が結婚式1日目とカウントして、今回は計4日間の結婚式と説明する方もいました。


儀式の内容は悲しみを表現する場面も多いのですが、沢山の人が集まり、底抜けに煌びやかなモノに溢れ、美味しいご飯をたらふく食べて、気持ちの変化も、見える景色も忙しいです。

控え室で、若い女性陣がるんるんでお化粧をしたり、衣装替えをしている光景は、さっきまでの泣いていた悲壮感溢れる彼女たちからは程遠く、宗教観や他文化は簡単に理解できるものではないし、ただそうであるということを、受け入れる度量を持とうと思いました。