帰国の途!
つい先ほど、ブージから26時間列車に揺られ、デリーに到着しました
3ヶ月半前、デリーからブージへの途は、スリーパーというAC無しの寝台列車に乗ったので、なかなかにインドを感じる旅路でしたが、今回はAC有りの富裕層メインの寝台列車
快適
快適、つまり、特に大きな問題無し!
ただ、カッチを出てから、列車に人が入ったり出たりして、やっぱり人の雰囲気変わるなぁ、というのはありましたね、ちょっと怖い
スリに気をつけよう
とはいえ、今のところ、とても快適
Uberカーでホテルへ向かう車内で書いてます
いきなり都会!!!
アジュラクプール最終日の一昨日、工房の人にお菓子や現像した写真を渡したり、布を整理したり、片付けたりしてたら、1日なんてあっという間
遅めの朝食に呼んでもらったり
(彼らは直射日光を気にするなんてこと、ないんだろうな)
いつもお昼ご飯食べに行ってたLLDCで、今日はお代はいいからと言ってもらえたり
(シェフの子どもが激かわで癒し)
みんなご飯くれてありがたい
美味しかったな
今年もね、色々ありました
なんせ、お金を払って外人を工房に呼ぶこと自体、初めての試み
デザイン料、コピー問題、控えるLLDCでの展示の内容等々、意見はぶつかりました
昨年も揉めたけど、やはり今年も揉めた
けど、状況は、ちょっとずつ良くなっています
昨年から続くコピーに関しては、もう私一個人でどうにかなるものでもなく、言われるままの対策を遂行してます
対して、現地のNPOスルジャン主催で開催予定の展示では、全く別の試みがありまして
新しいブロックプリント表現を、村人や観光客に見てもらい、そして、真似するなり発展させるなりして、表現技法を村ベースで広げていきたい、というのがスルジャン側の目的です
言わばデザインのブレークスルーです
工房側が私に求めてることと、スルジャン側が私に期待してることは、結構対局
アジュラクプールは、アジュラックブロックプリントで有名なので、沢山のテキスタイルデザイナー、観光客、アート寄りの学生が都市からやってきます
外から来た方が、デザインを持ち込んで、それ通りに布にプリントを施し、発送、というのが一般的な流れです
デザイナーさんが、職人さんとのやりとり、プロセス監修等のため、工房に滞在する期間は、短くて数時間、長くても1週間前後、もしくはグラフィックデータだけ送って現地には入らないケースもあります
長ければいいと言いたいのでは、決してなくて
例えば、もうそのデザイナーさんが、工房と長年の付き合いで、この複雑な草木染めの知識もあり、ちょっと職人さんと話しただけで、素敵なデザインが染め上がることもあるし、逆も然り
何が言いたいかというと
新しいデザインは、日々生まれますが
新しいブロックプリントの表現技法は、なかなか生まれない状況だ、ということです
デザイナーが工房に入り、実際に手を動かして、現地の人とは違う感覚で、何かを発見し、それを職人さんと共有し、それまでに無かった表現技法として築く
それがなかなか無いのです
ここカッチ地方は、テキスタイルは言うまでもなく、他にも伝統ある魅力的なクラフトが根付く土地で、また震災の影響も大きく受けてるので、フィールドワークで長期滞在される方がいます
現地の手仕事を守るために活動されてる方、ブランド、NPOも多々あり、活力に溢れる土地です
ただ、長期で工房に入り、実際に自らの手で制作する外人がいなかったようです
昨年、私が半年の制作滞在で、新しいブロックプリントの表現を試み、職人さんから賛否両論の染めを続けたことに、スルジャンの方が目をつけてくださいました
村に数ある工房が、みな、すごく綺麗なアジュラックを染めます
何度見ても、毎年見てても、やはり綺麗だなと思います
でも、私は、このブロックプリントという染色技法に、まだまだ表現の可能性があると感じています
もっと個々のプリンターが、何か違和感を覚えるような、そしてその中の少数でも、何か新しい発見を布に落とし込んでみたくなるような、そんなブロックプリント作品を展示したい
それが、スルジャンと私、そして工房長スフィヤンの、来たる共同展の目的です
スフィヤンは、職人であるとともに、経営者でもあるので、新しい表現を取り込むことには意欲的でも、それがコピーされ、村の他の店舗で販売されることには、もちろん好意的ではありません
お互いにメリットがあるように、何度か話し合いを重ね、今は同じ方向を向くことが、できたと思います
交渉を手伝ってくれたり、背中を押し続けてくれた現地の方々に、感謝
そして、泣き言を逐一聞いてくれる、日本にいる彼に感謝
何より、この工房で布を染めることに、とても幸せを感じているので、そこで出来上がった作品が、誰かのインスパイアになるのなら、それはもう万々歳です
そうなるように、これからも頑張りたいと思います
全ての用事が片付いて、そろそろ工房を出ようという時
「何かあげなくちゃね」
とスフィヤン
オフィスの奥からゴソゴソと引っ張り出し、手の内に丸めて、渡してきました
広げてみると、アジュラックがあしらわれた茜のシルクストール!
綺麗!
やっぱアジュラック綺麗よね
そして、ほんとちょうど、こんな色のストール欲しいと思ってたのサ!
モスグリーンのセットアップを買ってしまったからに、合わせるストールが欲しいと思ってた!すご!
お礼を言って、また来年ね、と挨拶
遅くまで働いてた職人さんも、見送ってくれました
また来年!
色んな辛いこともあったはずなのに、なんでこんな幸せ感じてんだろね
デングとか、水シャワー冷たいとか、終わったことは、どうでもよくなっちゃうよね!
本当にこの工房が好きだなぁ!!!!!